本の虫もどきは働きたくない

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真夜中の図書館/谷山浩子【まっくらくら~い】

こんにちは、tori1031です。
時々無性に自意識ライジングして文章の書き方について書かれた本が読みたくなる人間です。
(その割にはこういった文章なんですけどね。)

今回紹介する本は、図書館のそういった本が多い棚(分類は文学理論)の前をうろついていたときに見つけたものです。
同じ棚にシナリオの作り方について書かれた本や小説家になるための本などがあり、創作したい人向けの一角になっていました。

真夜中の図書館 / 谷山浩子

真夜中の図書館

真夜中の図書館

著者の名前を見て「ん?」となった人~ はい私です。
歌手の方ですね。みんなのうたで曲を聞いたことがあるって人もいるんじゃないでしょうか。
まっくら森の歌 (まっくらくら~いってやつ)とか、恋するニワトリ(お相手が風見鶏のやつ)とか。
みんなのうたとは違うけれど、えらく安いスープがでてくる曲があったような…(もしかして:ウミガメスープ)

曲の話は置いといて。

本の話。
この本は、創作者向けの雑誌に載っていた連載をまとめたものです。 挿絵も連載のときと同じものが使われています。

「青い鳥」や「人魚姫」といった有名な物語を中心に、
それらを読んだときの谷山さんが、何を感じ、何を考えたかが沢山収録されています。
他にも、創作する方に向けた話とか、ゲームにまつわる話とか…いろいろあります。

既読の物語について書かれた話なら
「この人はこう思ったんだ」 「自分はあの頃どう思ってたっけ」
と、未読のそれなら
「昔の自分が読んでいたらどう感じるんだろう」
と。色々想像するのが楽しい一冊でした。

あ。やたら回想してますが、著者が大人になってから読んだ物語についても書かれてます。

楽しむ一方、思い出補正や補完があったとしても、著者が 「いつ頃どの話を読んでどう思ったか」をきちんと覚えているところを羨ましく思いました。

私は小学生以前に読んだ本の感想はあまり覚えていませんし、 それ以降に何を読んでどう思ったかを覚えていても、肝心の話の内容を半分以上忘れていますし…悲しくなるのでこのへんでやめときます。

物語と感想をセットでずっと覚えていた著者はすごいです。
そういうものを大事にしてきた人だからいろんな曲を書いて、歌って、表現できるんだろうなと思いました。

もっと色んな話を読んで、色んな感覚を覚えたい。
この本の著者の作った曲を改めて聴きたい。
読み終わったとき、そう思わせてくれる一冊でした。

創作している人や、創作に興味のある人。物語を読むのが好きな人。空想するのが好きな人。仕事や人間関係に疲れたと感じている人。谷山浩子という人間の頭の中をのぞいてみたい人。そして、そのどれにもあてはまらないひとも、ぜひ。