こんにちは、tori1031です。
気づけばブログを始めて一年経っていました。
…スローペースがだいぶ癖になってしまっていますね。
本はまあまあ読んでいるんですけど、記事にするのを放置してました。
それは一旦おいといて(ダメ)、久々の記事はこの本を。
死神の浮力 / 伊坂幸太郎
- 作者: 伊坂幸太郎
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2013/07/30
- メディア: ハードカバー
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あらすじ
人間の25人に1人が良心を持たない「サイコパス」。 それが作家の山野辺が以前調べたサイコパスについての情報、そして最愛の娘を殺めた人間の性質でした。
娘を殺害した犯人である本城の無罪をニュースで見る山野辺と彼の妻。
山野辺夫婦は本城への復讐を企てていました。
夫婦の自宅前には、コメントをとろうとマスコミが張り付いています。
そこに雨を引き連れ、ママチャリで現れた黒尽くめの奇妙な男。
男は夫婦に情報を持ってきた、同行したいと伝えてきます。
彼は「千葉」と名乗りました。
山野辺夫婦は見ず知らずで、しかも色々とずれている千葉と共に復讐計画を実行に移しますが…
感想
「死神の精度」を読んでいたので、千葉が来ただけでテンションが上りました。
こっち読む前に「死神の精度」は読んでいたほうが良いと思います。
読んでいないと話がわからない、ことはないですが小ネタが少々ありますので。
千葉が夫婦と同行するために「弟が本城に虐められた挙句殺された」ってことにしているんですが
終始淡々としていて、「お前もうちょっとそういう演技しろよ」ってツッコミ入れたくなりました。
そんな千葉をパーティに加え続ける夫婦にはもっとツッコミたいです。夫婦もだいぶずれている気が。
けど千葉は魅力的だから仕方ないですよね
あとすごくどうでもいいですが、私は千葉の台詞をついエルシャダイのルシフェルで脳内再生してしまいます。本当にどうでも良いですね。
☆
序盤にちょっとした説明付きでモブ(仮)が出てくる度に「中盤~終盤絡んでくるんだろうなあ」と思いながら読んでいました。
「伊坂作品だし多分そうなる」的なメタ読みでつい。結果は読んで確かめてください(投)
千葉の同僚含め、死神は相変わらず良いキャラしてて読んでて楽しかったです。
仕事人間の千葉に対して、他の死神達は手を抜きたがるんですよね。楽したいよね
今回は情報部の事情が絡んでややこしく、いや大してややこしくはないんですけど。これない方が好、いやでもこれないと長編にならないだろうし。
「死神の精度」のときは短編ごとに調査対象が変わっていたのに対し、「死神の浮力」では一人に絞られているのでその為でしょうか。
けど、調査対象が一人のまま話が進んだおかげで対象が何を思っていたかよくわかります。
特に死ぬことに関してどう思っているか、思っていたかは見どころだと思います。…見どころじゃなくて読みどころって言うんでしょうか?
こうは言ったものの、もしまた千葉の話が読めるなら精度のときの短編集形式がいいなと思います。
一人に深く関わる長い話もいいけど、いろんな人間とテンポよく絡む方が千葉の雰囲気には合ってる気がしまして。
まあただの個人の好みなんですが。
伊坂作品、死神の精度が好きな方、
渡辺一夫、カント、パスカルが好きな方は是非。
「これは私の言葉だ」