本の虫もどきは働きたくない

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【原料不明】ブラックジュース【奇想コレクション】

こんにちは、tori1031です。

一ヶ月前に始めた某ブラウザゲームで、日本号追い回していたらすっかり更新期間が空いてしまいました。 今は小判集めてます

今日はタイトルに「なにそれ不味そう」と釣られて惹かれて借りたこの本を。

ブラックジュース / マーゴ・ラナガン

ブラックジュース (奇想コレクション)

ブラックジュース (奇想コレクション)

「ブラックシュース」は「沈んでいく姉さんを送る歌」からきているのかと思っていたのですが全然違いました。

色の名前の付けて短篇集を出すために、改めて考えてつけられていたようです。
因みに他の短篇集は、一作目が「白い時間」で三作目が「赤いスパイス」だそうです。(雑訳)

目次

  • 沈んでいく姉さんを送る歌
  • わが旦那様
  • 赤鼻の日
  • 愛しいピピット
  • 大勢の家
  • 融通のきかない花嫁
  • 俗世の働き手
  • 無窮の光
  • ヨウリンイン
  • 春の儀式

各短編 あらすじ・感想

沈んでいく姉さんを送る歌

殺人の罪でタールの湖に沈められることになった主人公の姉。
ゆっくりと、しかし確実に、彼女が完全に沈む最期の瞬間まで主人公達家族が傍にいました。

表紙の絵はこの話からのようです。絵では可愛らしく描いてあるけど実際おそろしい処刑方法です。 ダンロンのおしおきにありそう

最期一緒に過ごさなかった方が心の傷は浅く済んだのかなと思うものの、一緒にいられる最後の機会を放棄する人はいないよなあとも思ってしまいました。
どっちにせよ辛い。

わが旦那様

旦那様に仕える従者視点の話。
旦那様は城から抜け出した奥様を追って馬をとばしになられている。
はしたない奥様をきっと旦那様はお怒りになるだろう。追いついて、剣を抜くに違いない。

旦那様ェ…いや寛大?なのは良い事なんですけども。なんですけども。

赤鼻の日

相棒のリストの元、レンタルの美しい銃を使い、主人公は照準器越しに赤鼻の道化師たちを次々仕留めます。

道化師は忌み嫌われているようですが、何故かははっきりしないままばっさばっさ殺されていきます。 でも道化師って化粧のせいなのか動きのせいなのか、なんだか怖いですよね。
某ファストフード店の彼もMAD動画見るまで苦手でしたし。

主人公達も謎なんだよなあ。

愛しいピピット

動物園?で育てられている象視点の話。(施設が何だったか忘れました…)
彼女達の飼育係の中に、ピピットという名の優しい人間がいました。
彼女達はピピットのことが大好きでしたが、ある日突然どこかへ連れ去られてしまいました。
ピピットに再び出会うべく、彼女達は檻から出て、外の世界へピピットを探しに向かいます。

象かわいい。
しかしピピットは一体何をしたのでしょうか。

盲信は楽なんですけど、文字通り見えなくなっちゃうのが難点ですね。
スナフキンも「崇拝は自由を失う」的なこと言っていましたし、信じるときは思考停止しない程度にしたいですね。

大勢の家

<詩人>は「三人の家」を棚から下ろし、まだ幼い主人公に話し始めます。 ―ここにはアンネ、ロブレー、ヴィルジャストラマラタンが暮らしている。

<詩人>のもとで素朴な生活をしていた主人公は成長し、<詩人>から離れた外の世界を知っていきます。そこで「大勢の家」に触れます。

<詩人>苦手です。選択肢を取り上げておいて最後にあの対応だもんなあ。

現状に疑問を持ち、行動に移した主人公は立派だと思いました。
家族置いていったりもしましたが、家族だからって全部背負う義務もなければ自由を奪われる必要もないと思うのです。

融通のきかない花嫁

念願の花嫁になった女性が想定外の事態に合ってもしきたりを貫こうとする話。
―折角の靴が汚れたって、教会に遅れそうになったって、平常心を保ちルール通り行動しなくては。

折れろ。心とか信念とか折れてしまえ。

…つい過激な発言が。いやそう思わずにはいられないほど彼女は融通がきかないんですよ。
でも学校まで行って(多分)一度きりのチャンスだったわけですし多少は仕方ないかな…でもなあ。

バランス大事に。

俗世の働き手

今にも死にそうな祖母のために天使を連れてくるよう祖父に言われた少年の話。
彼はかつて見た天使のことを思い出し、どうにか天使を見つけます。

これだけ聞くと良い話に聞こえますが、しかし彼らの言う天使と私達の知っている天使は随分違っておりまして…

お前のような天使がいるか

横暴な祖父と変わった天使と主人公感溢れる少年…知らない童話を読んでいるようで面白かったです。

無窮の光

荒廃した世界、祖母の意思を尊重し遠地で葬儀を行うから来い、ヒロインは少ないお金でどうにか其処へ向かう。
幼い頃の祖母との思い出、

アンドロイドは電気羊の夢を見るか」のような世界。
荒廃していて生き物がああなっていれば大体そう感じるようなっていますが。

ヨウリンイン

初恋の相手を隠れて眺める少女の話。
少女は小さい頃に「ヨウリンイン」の襲撃で両親を亡くしており、町の人から疎まれ生きてきました。 少女はヨウリンインが再び現れることを知り、町の人たちに話しますが、何を話しても嘘だと決め付けられ信じてもらえません。

某君と○○するRPGばりに「人間なんて汚い…」と呟いてしまいました。 でも人間だし利己主義なのは仕方ないのかな。
自分だってあの人と同じ境遇で、最後らへんの同じ経験したとして、同じ事しないとは言い切れないし。それでももう少しましな行動とると信じたいですが。

春の儀式

すざまじい吹雪の中、険しい山で春を呼び込む儀式を行う少年の話。
いつもなら母親が、母が無理な年は弟が儀式を行っていたのですが、二人揃って病に伏せてしまい主人公にその役目が回ってきました。
狩りには自信があるけど他のことはちょっと…。そんな主人公だからか、重要な儀式だからか。
母はやたら厳しく彼に儀式について教え込んでいます。

吹雪や自分の境遇の怒りながらも儀式を行う主人公、はたして儀式は成功するのでしょうか。

クトゥルフ神話に同じ?似た?名前のがいたような… でもあれは海だったかな、ううむ。

大事な儀式なので仕方ないのかもしれないけど、でも母の言い方きつすぎました。 もっと主人公に優しくしてあげて…。彼が不憫に思えて、同情と応援をしながら読みました。 良かったです。


人間の良さや悪さが鮮やかに描かれていた、よう思いました。
SFもファンタジ-もそうでない普通の話もどれも良かったですが、普通の話のほうがより人間の心を掘り下げているよう思いました。象は可愛い。

ただ「ヨウリンイン」とか読んでいて心が痛くなるなったので、著者の他の作品を読むときは心に余裕があるときにしようと思います。 これだけ象推しておいてあれなんですが、一番好きな話は「春の儀式」でした。

【メモ】20代のうちに考えるべきこと、すべきこと【んな無茶な】

こんばんは、tori1031です。

今日は出版社名に見覚えがあって借りたこの本を。
文房具や手帳の好きな方は「能率手帳」って聞くとわかるかなと思います。

20代のうちに考えるべきこと、すべきこと / 国貞克則

…実は読んだの3ヶ月前です。
学問のすすめ現代訳より前に読んでいます。

いつもに増して自分用メモで、口調も「~だ」になっています。
要約はきちんとできていませんので、詳しく知りたい方は本を読んでください。

メモ一部

常識を疑う

みんながやっているから、それが常識だからと縛られる必要はない。
例えば、夢を無理に持つ必要はない。夢教育が盛んだけど弊害の方が大きいし気にしないように。

勉強する習慣を持つ

  • PDCA
  • 集中
  • こつこつ
  • 地道な努力

効率厨になる道を探すだけでは意味ない。効率も大事だけどまずは実行し継続する。

人脈にこだわらない

自分に役立つ人脈を持つより、役立ちたいと思う人を見つけたほうがいい。

やらなくても大丈夫そうな仕事は放置する

著者は放置推奨しているが疑問。

放置された分期限が短くなっている。仕事を回した人に迷惑かかっている。
せめて放置ではなく、できないと断るべきでは。

自分の強みは自分で分からない

著者は自分で見えるのは自分の外側だけ、周りが内側を見てくれるとしているけど疑問。

自分で見えるのが自分の内側、周りが外側から見た客観的な評価をくれるのでは? 田←こんな感じの四つの窓もそういう内容だった気が。


メモした中の一部なので、他にもまだまだ沢山あります。

著者ははっきりさせるタイプなのか、結構極端な意見や断言口調(?)で書かれているよう感じました。

「著者の言っていることは間違っている」と思われた方もおられるでしょう。
それでいい、いろんな考えがあることを知り、自分がどう生きるべきか考えてほしい。

と書いてあるように、まずは色んな考え方に触れ、
それから「じゃあ自分はここを参考にしよう」と考え方やテクニックをメモ、実践するのが良いと思います。

【ボカロ小説】女学生探偵と偏屈作家【阿破破】

こんばんは、tori1031です。

ボカロの最近の進出っぷりすごいですよね。
CD発売されるだけでもすごいって思っていたのが、ボカロPが割と普通にメジャーデビューするようになり、
楽曲・動画を基盤に小説・漫画・アニメ化…どんどん表に出て行くようになりました。

今までこっそり楽しんでいたものが片っ端から日向に出て行ったり引っ張り出されているようで寂しい、と思うのは古参寄りの懐古厨だからでしょうか。…違うか。

前置きが長くなりましたが、今日は元がボカロ曲なこの小説です。

女学生探偵と偏屈作家 / 文 てにをは、絵 なのり

女学生探偵と偏屈作家 ―古書屋敷殺人事件前夜―

女学生探偵と偏屈作家 ―古書屋敷殺人事件前夜―

「古書屋敷殺人事件」「人形館殺人事件」などの「女学生探偵シリーズ」から誕生した小説です。
元曲は歌詞、ミクの声、動画絵…色々含めて好きです。
古書屋敷殺人事件の動画のラストが大好きだったのに、普通に続いてがっかりしたのは良い思い出です。

CD化で先生の中の人が井上和彦さんになったのには驚きました。

あらすじ

事件に首を突っ込み推理せずにはいられない女学生のひばり。
文化祭の近づいたある日の早朝、彼女は美術部で展示する絵を描こうと学校の屋上へ行ってみました。
そこにはすでに先客がおり、その人は、血を流して倒れていました。
幸い命に別状はなかったものの、屋上だというのに高所から飛び降りたような不可解な大怪我でした。
小さい頃から知り合いの性格のねじまがった作家の久堂に早速事件のあらましを話しますが、毒を吐かれたり、首を突っ込むなと釘を刺されたり…

学校をかき回す謎の人物「エックス」、久堂の原稿に起こった悲劇、幽霊屋敷へのおつかい…

何が起こってどうなったか、ですか?
みなまでゆーなんて興ざめなことしませんよ。

感想

動画の事件一切ないのね(´・ω・`)
と思っていたけど、それは次作でやってるみたいですね。ふむ。

こういう本って動画では描かれていない各キャラの設定がわかるのがいいですね。
ひばりちゃんの色彩センスとか、先生が珈琲豆ばりばりするとことか…
まあ絵師さんのpixivで知れる情報なんですけどね。
ただ喋り方の設定は小説の方が情報量多いです。当たり前か

絵師さんが動画と同じ人だったのは嬉しかったです。
挿絵の中で一番お気に入りは猫耳生やしたひばりちゃんと良い笑顔の同級生の絵です。可愛い。

あとはひばりちゃん先生好きなんだなーってとこで何度か口元が緩みました。
でも推理中にいちゃつく(?)のはやめたほうが良いと思いました。もげろ

気になったところは、文章がところどころ読みにくかったところと、登場人物の謎思考かな。
あくまで個人の感想ですが。

この本が読みにくい、というよりボカロ小説自体が読みにくいと私は思っています。
今回は文章の中に歌詞の一部を混ぜて話を成立させているからなんだろうと思いました。
(他にも会話で「今なんでそんな脈絡のないこと言ったんだろ」ってことが多々ありましたが)

曲に合わせて文字数や響きも考慮して選んだ言葉でも、小説用のストーリーに合わせて差し込まれると合わなくなってしまうのかなと。
元ネタ大事にしすぎて読みにくくなるのは勿体無いですので、次は気にせず書いてほしいです。
まあ、そんな私の文章の方が読みにk…という自虐ネタは置いておいて。

登場人物の謎思考、というより一部女性陣の思考がどうも理解できませんでした。
(屋上で倒れていた女子生徒とか、幽霊屋敷の家主さんの娘さんの最後のほうとか)
余計なことしやがって、とすぐ思う私は乙女心がわからない人間のようです。
ちょっとひばりちゃんに怒られてきます。


いつも異常以上に好きなように書きました。
読み返して、ひばりちゃん、ひばりちゃん言いすぎだと思いました。
でもお下げの可愛い女の子メインだったから仕方ないよね、と開き直る事にしました。
ちょっと推理に失敗しかける可愛い探偵さんや口や性格は悪いけど無駄にイケメンな作家先生が見たい方は是非。

無駄にイケメンと書いたものの、当時の動画で「テニヌのだーねの人に似てる」ってコメント見てるから素直にイケメンと思えなくなってます。
幽霊屋敷のあれはかっこよかったですけどね。

【もちもち】BAGEL&BAGEL【焼いてみた】

こんにちは、tori1031です。

連日残業やら電車の遅延やらで帰宅時間が遅くて悲しいです。
そんなときこそ美味しいものを食べてリフレッシュしないと。良い言い訳だ

ということで興味はあったけれど作ったことの無い、田舎ではなかなか食べられないアレの本です。

BAGEL&BAGEL オリジナル・レシピ 第2集

BAGEL&BAGEL オリジナル・レシピ第2集 We Love Bagel !

BAGEL&BAGEL オリジナル・レシピ第2集 We Love Bagel !

(え、第2集?)

気を取り直して。

ベーグルの作り方が写真つきで詳しく載っていましたので、抹茶豆乳ベーグルを作ってみました。

抹茶ベーグル

…キメのない焼き目の薄いベーグルが焼けました。

こね方が悪くてグルテンがきちんとできなかったせいだと思います。
どうも体重かけるのが難しくて…。うどんみたいに踏んだら駄目なんかな

しかし見た目に反してもちむちでとても美味しかったです。 よほどのことがなければ美味しく作れるようです。

他にも美味しそうなベーグルサンドや、余ったベーグルのアレンジレシピが載っています。 写真眺めるだけでも楽しめますので、ベーグルが好きな方は是非

【ブラックユーモア】スーサイド・ショップ_ようこそ、自殺用品専門店へ【確実に死ねます!】

こんばんは、tori1031です。

出向先が携帯持ち込み禁止になったので、昼更新が難しくなりました。

スーサイド・ショップ

ようこそ、自殺用品専門店へ / ジャン・トゥーレ ( 訳 : 浜辺貴絵 )

スーサイド・ショップ ようこそ、自殺用品専門店へ

スーサイド・ショップ ようこそ、自殺用品専門店へ

代々「自殺用品専門店」を経営するテュバッシュ家。
店には死にたい人々の願いを叶えるため、数々の自殺用品が取りそろえられています。
キャッチ・コピーは「人生に失敗?当店にいらっしゃれば、確実に死ねます!」
父親のミシマをはじめ母親、長男、長女は、
家業にぴったりの陰鬱な態度とネガティブ思考で客を迎えます。
でも、次男のアランは笑顔とポジティブ思考で家族を振り回し、やがて……。
フランスでベストセラーになり、世界20ヵ国で翻訳された、ブラックユーモアあふれる物語。

本より引用。

「ブラックユーモアあふれる物語」の一文に釣られてこの本を読みました。
ただ期待していたよりブラックユーモア少なかったかな。もっとブラックでいいのよ
その分アランが活躍していたってことなんですけどね。

表紙の絵と小説の彼らが微妙に違います。
絵の方のアランが金髪じゃない、ヴァンサン包帯巻いてないなど。
ですが絵柄がこの話にぴったりだと思いました。

個人的に開いてすぐ、上に書いた引用文の傍のガスマスクつけたお母さんの絵が好きです。かっこいい。

後ろのの著者と訳者紹介の絵は読み終わってから見た方が良いと思います。
ネタバレとかではないので先に見てもなんら問題ないのですが…まあ最後まで読めばわかります(投)

感想

客や家族のネガティブさとアランのポジティブさが対照的な話でした。

人生は、なんて長く苦しいものなんだ。何をやってもうまくいかない……。
「……もう寝る」
ということは、明日も、また生きなくてはならないということなのだ。

家族はこのくらい暗い気分になることが多いです。くらいと暗いが被った
アランは家族に咎められても気にせず明るい歌を歌い、家族や客の悲観的な部分を変えようと動いています。

ブラックユーモア溢れるシーンでは、自殺しようとしている客から葬式に招かれるくだりが、
アランの活躍するシーンでは、客に仮面を売るくだりが好きでした。

衝撃のラスト、というには大袈裟かもしれませんが、読んで戸惑いました。
その人物がとった行動が、彼(あるいは彼女)のある発言とは真逆のものだと感じたからです。
しかし読み返して、本当にやりたかったことをやり遂げたのだとわかり納得しました。 (あと、多分【ネタバレ】いたからああしたんじゃないかなと思っています) …ネタバレしたくないのと、間違っていたら恥ずかしいのとでひっどい伏字です。

アランの家族のように物事をわざと悲観的にとることが私にもありますが、
歪めず良い面もちゃんと見ていけたらと思いました。

ブラックユーモアに抵抗の無い方やどんな話か気になった方は是非。