こんばんは、tori1031です。
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スーサイド・ショップ
ようこそ、自殺用品専門店へ / ジャン・トゥーレ ( 訳 : 浜辺貴絵 )
- 作者: ジャン・トゥーレ,浜辺貴絵
- 出版社/メーカー: イースト・プレス
- 発売日: 2013/08/30
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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代々「自殺用品専門店」を経営するテュバッシュ家。
店には死にたい人々の願いを叶えるため、数々の自殺用品が取りそろえられています。
キャッチ・コピーは「人生に失敗?当店にいらっしゃれば、確実に死ねます!」
父親のミシマをはじめ母親、長男、長女は、
家業にぴったりの陰鬱な態度とネガティブ思考で客を迎えます。
でも、次男のアランは笑顔とポジティブ思考で家族を振り回し、やがて……。
フランスでベストセラーになり、世界20ヵ国で翻訳された、ブラックユーモアあふれる物語。
本より引用。
「ブラックユーモアあふれる物語」の一文に釣られてこの本を読みました。
ただ期待していたよりブラックユーモア少なかったかな。もっとブラックでいいのよ
その分アランが活躍していたってことなんですけどね。
絵
表紙の絵と小説の彼らが微妙に違います。
絵の方のアランが金髪じゃない、ヴァンサン包帯巻いてないなど。
ですが絵柄がこの話にぴったりだと思いました。
個人的に開いてすぐ、上に書いた引用文の傍のガスマスクつけたお母さんの絵が好きです。かっこいい。
後ろのの著者と訳者紹介の絵は読み終わってから見た方が良いと思います。
ネタバレとかではないので先に見てもなんら問題ないのですが…まあ最後まで読めばわかります(投)
感想
客や家族のネガティブさとアランのポジティブさが対照的な話でした。
人生は、なんて長く苦しいものなんだ。何をやってもうまくいかない……。
「……もう寝る」
ということは、明日も、また生きなくてはならないということなのだ。
家族はこのくらい暗い気分になることが多いです。くらいと暗いが被った
アランは家族に咎められても気にせず明るい歌を歌い、家族や客の悲観的な部分を変えようと動いています。
ブラックユーモア溢れるシーンでは、自殺しようとしている客から葬式に招かれるくだりが、
アランの活躍するシーンでは、客に仮面を売るくだりが好きでした。
衝撃のラスト、というには大袈裟かもしれませんが、読んで戸惑いました。
その人物がとった行動が、彼(あるいは彼女)のある発言とは真逆のものだと感じたからです。
しかし読み返して、本当にやりたかったことをやり遂げたのだとわかり納得しました。
(あと、多分【ネタバレ】いたからああしたんじゃないかなと思っています)
…ネタバレしたくないのと、間違っていたら恥ずかしいのとでひっどい伏字です。
アランの家族のように物事をわざと悲観的にとることが私にもありますが、
歪めず良い面もちゃんと見ていけたらと思いました。
ブラックユーモアに抵抗の無い方やどんな話か気になった方は是非。