本の虫もどきは働きたくない

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【夜行バス】広島から静岡県の佐野美術館へ行きました【電車】

こんにちは、tori1031です。

先週、本田忠勝が使っていた槍「蜻蛉切」を見に静岡県の佐野美術館まで行ってきました。
残念ながらというか、当然というか、写真撮影は禁止でした。

すっごく穂先が綺麗でした。

交通手段

夜行バスで愛知県まで行き電車で三島まで行きました。
移動にはだいたい約10時間かかりました。片道でです。

夜行バス

夜行バスは広島から乗ってだいたい6時間かかりました。
時期や曜日によって価格は変動しますが、このときは土曜日を挟んでの往復で14500円になりました。

ロイヤルエクスプレスさんのバスを利用したのですが、紙パックのお茶がもらえて、ブランケットが借りられてありがたかったです。

よく夜行バスに乗るなら席が3列のものを選ぶといいと聞きますが、私すっかり忘れていて4列を予約していました。
コンセント借りるときと、休憩所で降りるときに隣の席の人に声かけなきゃいけないので、多少お金払っても3列の方がよかったかなと思いました。

バスの走行音が意外と煩いので、夜行バスに乗る際は耳栓を持っていくことをおすすめします。 アイマスクを持って行くのを忘れましたが、持っていたタオルで代用できました。見た目さえ気にしなければ荷物減らせますね。

あと、お互いに快適に過ごす為にバスのルールをきちんと聞いておいた方がいいと思います。

  • 飲酒禁止
  • 煙草禁止
  • 消灯中のタブレット端末等明かりのつくもの禁止

とかです。
バス会社によって異なるはずです。

電車

電車はJR東海道本線を利用してだいたい4時間かかりました。
ICOCAの履歴によると片道4430円。…ジョ●ダンで調べたときより多く払っているような。

まず名古屋駅で「豊橋行」の電車に乗ります。
新快速で1時間未満で豊橋駅の6番ホームに着くと思います。

豊橋駅に着いたら「浜松行」の電車に乗るべく8番ホームへ移動します。
30~40分で浜松駅の4番ホームに着くと思います。

浜松駅に着いたら今度は「興津行」の電車に乗るために2番ホームへ移動します。
50~60分で静岡駅の4番ホームに着くと思います。

最後に「三島行」の電車に乗るべく1番ホームへ移動します。
三島駅まで1時間はかかります。お疲れ様でした。

ここまで書いておいてあれなんですけど、●番ホームの辺りは時間によって違ったような気がします。流石、田舎の駅とは違うなあ。

お疲れ様、と書いておいてあれなんですけど
佐野美術館に向かう為には「伊豆箱根鉄道駿豆線 修善寺行」に乗る必要があります。
元気だったら徒歩で行ってもいいとは思いますが…私は無理でした。

東海道の出口で精算して、伊豆箱根鉄道駿豆線の入口で切符を買います。 「三島田町」の切符は140円でした。

5分もかからず三島田町駅に着くと思います。
あとはその辺の道案内看板を見るなり、自分で用意しておいた地図を見るなりして美術館へ向かいます。
今度こそお疲れ様でした。

ぶっちゃけ

ここまで書いておいてあれなんですけど、新幹線使った方がいいと思います。

  • 睡眠時間が削れても気にしない
  • 長時間電車に乗るのが苦にならない
  • 出費を抑えたい(広島からなら片道4000円くらい安くなる)

このくらい理由があれば新幹線使わない方向で行きましょう。

「蜻蛉切」

上の方ですでに書いてるけど

57回出陣して一度も傷を負わなかったという徳川の武将、本田忠勝が使っていた槍です。
「穂先に止まった蜻蛉が両断された」逸話からこの名が付きました。

この槍は東の日本号、西の御手杵が含まれる「三名槍」の一本です。
どうでもいいけど何でも三でくくりたがるよね

梵字が彫られていることとか、あの刃物の模様、なんだっけ。刃紋?が思ってたのと違って乱れていたとか、色々書くことはあるんですけど
穂先がほんとに綺麗でした。語彙が少ないので単純な言葉になりますが、ほんとに綺麗だったんです。

他の短刀・脇差・太刀と合わせて30分は眺めていました。
帰りにポストカード買いました。ポスターは曲げずに持ち帰る自信がなかったので断念しました。

おまけ

食べ物

  • みしまコロッケ
  • わさびソフト

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三島大社の目の前の、通りを挟んだお店で食べられます。 写真綺麗に撮れてませんでした(´・ω・`)

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みしまコロッケは地元で育てたじゃがいも「メークイン」にこだわっているそうで、甘くてほくほくでした。
揚げたてでくれるので更に美味しかったです。
他店のみしまコロッケはさつまいもでした。謎です

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わさびソフトは…うん。
チューブとかのわさびよりは美味しいんだけど、よく混ぜて食べるより別々に食事とデザートで食べた方がいいなって。
私は舌がお子様なんで苦手だったけど、わさび好きな人なら美味しくいただけるかもしれません。
辛いものが好きな方には不向きかなと思います、甘いので。

帰りに浜松に寄って浜松餃子を食べる予定だったのですが、バスの集合時間を恐れて名古屋に戻りました。
…後で考えると余裕で浜松寄れましたけど。

名古屋の地下街?で味噌カツきしめんのセットを食べました。
「ミニ」ってついてたのにやってきた料理は二人分はありました…。
美味しかったし疲れていたので全部食べましたけどね。

しかし炭水化物多い一日だったなあ。

佐野美術館展示

11月29日(日)から1月24日(日)の間で「備前刀剣王国」の展示が始まります。

備前(今の岡山県)の誕生した古備前、一文字、長船、吉房などの名刀が集まるそうです。
その数およそ60点(うち国宝・重要文化財が14点)。

…もっかい行くかな。

次見に行く槍

12月に御手杵見に行く予定、だったんですけど…
仕事の納期とか、歯医者通いとかで行けるか不安になってきました。

御手杵は常設展示なので少し先延ばしにして、1月にへし切長谷部と日本号見ようと思います。
…我慢できずに結局御手杵見に行く可能性もありますが。

【弱者勝利】どんがらがん【奇想コレクション】

おはようございます、tori1031です。

ゲームがイベントラッシュで嬉しいような、時間の使い方間違っているような…

えと、奇想コレクションからこの本を。

どんがらがん / アヴラム・デイヴィッドスン

世界幻想文学大賞ヒューゴー賞エドガー賞…他にも色々受賞しており短編小説の名手だったそうです。

目次

  • 序文
  • ゴーレム
  • 物は証言できない
  • さあ、みんなで眠ろう
  • さもなくば海は牡蠣でいっぱいに
  • ラホール駐屯地での出来事
  • クィーン・エステル、おうちはどこさ?
  • 尾をつながれた王族
  • サシェヴラル
  • 眺めのいい静かな部屋
  • グーバーども
  • パシャルーニー大尉
  • そして赤い薔薇一輪を忘れずに
  • ナポリ
  • すべての根っこに宿る力
  • ナイルの水源
  • どんがらがん

各短編 あらすじ・感想

序文

元妻による序文です。

関係ないけど、離婚した人の「離婚しているけど関係は良好だし付き合いもある」って言葉を聞くたびに不思議な気持ちになります。

ゴーレム

秋の昼下がり、ガンバイナー老夫婦の住む通りに奇妙な人物が現れました。
灰色の肌を持つその人物は、陶器の歯を見せてこう言いました。

「この私がだれであるかを――いや、何者であるかを――知れば、あまりの恐ろしさにおまえたちの肉は溶け、骨から剥がれ落ちるだろう」

タイトルで何者かわかる件について

老夫婦の日常トークと男の非日常語りのちぐはぐさが楽しい小説です。
おじいちゃんかっこいいです、っょぃ(小声)

物は証言できない

奴隷が売買されていた頃の話。
弁護士兼奴隷商を25年続けてきたベイリス老人は、職業柄・人柄から町の皆に嫌われていました。
そんな彼が売った奴隷がきっかけで転機が訪れます。

読み終わって「ざまあ」ってならずにもやっとしました。
いかに老人が汚いやり方をしていたとしても、やり返し方が気にいらない…。

さあ、みんなで眠ろう

ガス抜きと称され行われた虐殺により、ヤフーと名づけられた人に似た種族は滅びかかっていました。
ヤフーに対する非人道的な行為を嫌っており、このまま彼らを滅ぼしたくない主人公は協力者とともに行動を起こしますが…。

舞台は宇宙です。

最後タイトル回収した瞬間どうしようもない気持ちになりました。
主人公は動物や種族が滅びたのを知ったときに悲しい気持ちになっていましたが、小学生の授業で絶滅した動物について調べたときの自分もこんな気持ち味わってたのかなあ。自分のことなのに思い出せません。

さもなくば海は牡蠣でいっぱいに

本の虫なファードと女好きのオスカーは自転車屋を共同で経営していましたが、三ヶ月前からオスカーが一人で経営するようになっていました。

「でも……ほら……言われて見るとたしかに……探しているときには、安全ピンって絶対に見つからないものだな」

ありえない出来事が起こった後、ファードはある恐ろしい考えに至ります。

SANチェック失敗 → アイデア成功 → 一時的発狂
こうですか、わかりませんねすみません。
思考停止は悪いこと、でも考えすぎてもろくなことにならないのでしょうかね。

しかし、これはオスカーが悪いなあと思いながら読みました。
いやファードも自己完結?する部分とか問題はあったけども。 でもオスカーは自転車借りるのも乗せようとしたのも悪かったです。

ラホール駐屯地での出来事

物書きにイギリスへ来ていた主人公は、冬の夜の寒さをしのぐべく酒場へ向かいます。
そこに常連らしい人気者の老人がやってきて、「ラホール駐屯地での出来事」について語ります。

話の基になっているのはラドダード・キプリングの「ダニー・デーヴァー」という詩だそうです。 知っているともっと楽しめるかもしれません。
私は知らなかったので読み終わって解説読んでやっと最後のやりとりがわかりました…

クィーン・エステル、おうちはどこさ?

クィーン・エステルは南国の出身、ただでさえイギリスの冬は寒いのに下宿先ではそれをあまりしのげません。
下宿先から離れたライディ家で家事をするのが彼女の仕事です。
旦那様と彼の弟(坊っちゃん)はエステルと普通―むしろ友好的―に接しますが、奥様は坊ちゃんのことでやたら彼女につっかかってきます。
そんな奥様はエステルを辞めさせる口実を得ようと、無断でエステルの荷物をあさりますが…。

奥様が元々あった問題をエステルのせいにしたり、可哀想な私アピールをしているので多いきり「ざまああああ」できました(酷い感想)

いやまあ、途中までは「嫌な奴だけど過保護すぎるだけかな」でなんとか無理やり済ませられるかもしれないんですけど

クィーン・エステルが二階の敷物に掃除機をかける準備をしているとき、奥様が部屋の戸口に現れ、目もとにハンカチを当てながらいった。「ねえ、わたしはけっして信心深い人間じゃないわ。でも、いまふっと考えたの。わたしが子供を授からなかったのは祝福だったって。それには不向きだと、神さまがお考えになったからよ。どうしてだかわかる?自分の生活をうっちゃってまで、子供につくそうとするからなの。ちょうどいまのわたしが、義父の子供のためにそうしてるようにね。(以下省略)

ここ読んで、そんな気持ちは露と消えました。

尾をつながれた王族

尾をつながれ自由に動けない王族達、そんな彼らに口を使って水や食料を運ぶ一つ目たち、彼らが必要以上に交流しないように目を光らせる見張り達。
王族達は見張りの目をかいくぐり、一つ目の一人に何かを伝えようとしますが…

存在しそうでしない動物を擬人化したらこんな話になりました、みたいな話…だと思います。

「おまえの口のなかにあるのは嘘だけだ。さあ、とっとと失せろ!」

見張りのこの台詞が好きです。

サシェヴラル

暗く、寒く、悪臭漂う閉め切った部屋の中には乱暴者のジョージと非力なサシェヴラルがいました。
ジョージはサシェヴラルから手に入るはずの100万ドルのことで苛立っており、サシェヴラルはジョージに捕まり自由を奪われたことを嘆いていました。
サシェヴラルがかつて行われていた楽しかったお茶会について話したり、ジョージがサシェヴラルをある理由で脅したり…

ラスト、つまりどっちだってばよ。
どっちとも取れるってことで良いんですよね?自信が無い…。

サシェヴラルの話に出る人たちを「あの職種かな?」とのあたりをつけて読んでいたので、当たっていたとき嬉しかったです。
こういう勘をもっと日常に生かせれば良いのですが…うまくいかないです。

眺めのいい静かな部屋

養老院(老人ホーム?)で生活するリチャード氏は、同室の住民達が悪気無く起こす騒動で毎晩眠りを妨げられていました。
同施設で生活しているハモンド氏との会話中にうたた寝してしまい、これは若かりし頃、ジャングルで過ごしたときの癖だと言って誤魔化します。
その場にいた人々はリチャード氏の話に興味を惹かれ、先を促すのですが、
ハモンド氏だけは彼の経歴を非難し、つっかかります。

登場人物が老人ばかりで、面白くなさそうだと思ったらそんなことはなく、がっつり面白かったです。
ラストはヤンデレで…いや違う違う。でもまああの発想の飛躍は病んでるような。
でも睡眠不足で疲れていたんだろうなあ。…素質も絡んでいるでしょうけど。

グーバーども

不潔で、他人を利用し自分は楽をする老害老人に育てられている主人公は、彼に反発するにはまだ幼く、言いなりになってきました。
盗みをしてこいと言われることもあり、嫌がる主人公への脅し文句にあるときから「グーバー」という単語が出てきます。
言う事を聞かなきゃグーバーどもに売りつけてやる。
グーバーが何かわからず、教えてももらえない主人公はグーバーを怖がりますが…

狼老人。

「いい子にしてないと鬼が来るよ」だとセーフで、「言う事聞かないと鬼が来るぞ」だとアウト。
いやまあ、そういう話ではないんですけどね。

意地悪な老人に使われる子供の話ってだけで「俗世の働き手」を思い出しましたけど、老害悪人ぷりが違いました。

パシャルーニー大尉

父を知らずに育った少年の通う学校へ、トンプスン少佐と名乗る紳士が訪れます。
少年は先生に呼び出され、少年は自分の父親が立派な人物だと知り喜びます。

その後少佐は少年を育てている親戚のもとへ挨拶に向かった後、少年と二人で過ごします。

パシャルーニー大尉は少佐が少年にした話の中に出てきます。

いつ少佐の化けの皮がはがれるのかわくわくしながら読んでいた自分は、もっと人を信じる心が必要だと思いました…。
いやでも、あからさまに「私は善人です」って登場人物いたら疑いません?

救いがあるようなないような。
そういう話じゃないと言われそうだけど、私はそう感じました。

そして赤い薔薇一輪を忘れずに

チャーリーの雇い主は彼に罵声を浴びせ暴力を振るうろくでもない奴でした。
チャーリーがいつものように疲れて帰ってきたある日、同じ建物(集合住宅?)に住んでいるアジア系の男性が困っているのに遭遇し、男性に手を貸しました。
男性は感謝し、自宅で始めたという本屋へチャーリーを連れて行きます。
珍しい本ばかりでしたが、支払いが面倒で高価なものばかり…。
その中に一冊、チャーリーを惹き付ける美しい本がありました。

本の値段聞いて展開を「あっ(察し)」していたら、本当にその通りになりました。

本欲しくなる気持ちも対価選ぶのも分かるけど、買う勇気はないなあ…。
でも同じ境遇で、実際に本見たら私もそうしちゃうのかなあ。
いやでも【ネタバレ】するのは簡単にはいかないし失敗したら危険だし、成功しても物を運ぶのが、いや運ぶ準備から大変だよなあ。
やっぱり労力に見合わないので溜息ついて諦めます。…いや道徳的に考えて諦めろって話なんですけども。

ナポリ

いまから二十年ほど前、若くもなければ年老いてもおらず、醜くもなければ美男でもなく、明らかに金持ちには見えないが貧しくも見えないひとりの男性が、波止場を出て赤煉瓦の宮殿のそばを通り過ぎ、古ぼけたナポリの下町の雑踏のなかへと足を踏みいれた。

そんな男性(旅行者)にひとりの青年が近づき、こっそり何かを申し出ます。
旅行者はそれに応じたのか、青年を追い、路地の奥へ奥へと入っていきます。

パスタが食べたくなりました。ところでナポリタンはナポリの料理ではないそうです。日本産だそうです。言われてみれば他のパスタとは雰囲気が違いますよね。
ナポリ

…いやナポリってつければ雰囲気出るかなと思ってつい。

外国って独特の雰囲気ありますよね。そんな感じが味わえる話でした。
…外国、台湾しか行ったことないですけど。

すべての根っこに宿る力

穏健な警察官のカルロスは最近悩みを抱えていました。
体のあちこちの痛み、物が二重に見える乱視、それから…
医者に診てもらうも、診断結果に納得のいかないカルロスは怪しげな祈祷師のもとへ向かいます。

カルロスが悪人でないことが説明された後に、

それだから、周囲のみんながこの自分を見るや、突如として――ときには文字どおり一瞬のうちに――変貌して、おそろしくもまたすさまじい悪魔的な形相になるのはなぜなのか、カルロスには合点がいかない。

この文章が入ります。
被害妄想の一言で片付けるのは置いておいて、実際に自分がそんな目にあったらと考えると…しんどいですね。
大人しく家に引き篭もると思います。仕事?知らない子ですね。
いや無職なわけではなくて、そんなときに仕事なんてやってられないかなって。

カルロス視点の前半も、もう一人の視点に変わった後半も話は面白かったんですけど、
読んでいる間ずっと、カルロスが可哀想でした。

ナイルの水源

小説家のボブ・ローゼンは原稿を見せに行く度に「これじゃ今のニーズにあってないよ、今は~」と、流行りがどんどん変わっていきOKがもらえません。
帰りのエレベータで変わった老人に「話をしにきた相手があんたに時間を割いたせいでできなくなった。酒を奢れ、代わりに良い話を聞かせてやるから」といったようなことを言われ彼に奢る破目に。 酔いがまわってきた頃、老人は流行を前もって知ることができると話しますが…

これだから女は…って言いたくなる気持ちと、
いや彼女と情報管理を疎かにしたボブが悪いって気持ちとでもやっとしました。

でも最後のボブの姿勢は好きです。
自分はすぐ妥める性質なので。

どんがらがん

呪法が盛んな<カナラス国>の王子マリアンは、国を救う呪法を探し旅をしていました。
嫌いな人種が管理している土地で老人に食事を振舞う破目になった後、遠くからものすごい音がしてきました。
老人に頼まれて丘を登ったマリアンが見たものは、巨大な金属製の筒に車輪のついた何かを押したり引いたりしながら運んでいる集団でした。
あれは何だと尋ねるマリアンに、老人は怯えた様子で<どんがらがん>が運ばれているのだと答えます。

取説はちゃんと読まないと駄目だなあと思いました(小並感←今更)
多分未来の話なのに、昔話を読んでいるような気持ちになれました。

マリアンは傲慢だけど実力があり、悪知恵が働く割りに抜けている面があり…魅力的なキャラクターですね。

続編があるらしいのですが、そのあらすじが「これネタバレじゃありませんか?」ってくらい簡潔にまとめられていて…
それでも邦訳探して読むべきかなあ…。


大方好きな話でしたが、特に好きなのは

  • ラホール駐屯地での出来事
  • クィーン・エステル、おうちはどこさ?
  • 眺めのいい静かな部屋

の三つです。

最後の解説どおり「善人(or弱者)は幸福に、悪人は不幸に」といった話が多かったよう思います。
例外もありますが、そういう展開の話が好きな方は読んでみてはいかがでしょうか。

【ふつくしい】日本刀図鑑【とうらぶ刀有】

こんさにこんばんは、tori1031です。

今回は刀の写真がたくさんの本です。

日本刀図鑑 / 宝島社

日本刀図鑑 (別冊宝島 2346)

日本刀図鑑 (別冊宝島 2346)

図書館の貸し出し期日まで写真ばっか眺めていた結果、未読破です。
日にちを明けてもう一度借ります…それで追記します… 12/13 読破したので追記しました。

目次

  • Chapter1 名物刀剣~時代を超えて愛される刀
  • Chapter2-1 名刀列伝 225~日本刀千年の歴史
  • Chapter2-2 名刀列伝 225~日本刀鑑賞
  • Chapter3 初心者でもわかる日本刀教室

感想・メモ

Chapter1 名物刀剣~時代を超えて愛される刀

// 前回書いていた感想ここから

刃の写真背景は黒が映えますね。でも白背景が多かったのが少し残念でした。
刀ごとに説明文入れてたし仕方ないのはわかるんですけど、そこは写真重視でも良かったのでは。

あと刀はもっと大きい写真で見たかったです。けど、ページ数と刀の数見ると仕方ないのかな。

御手杵の穂先の拡大写真欲しかったなあ…
他の三名槍には梵字とか龍とか彫ってあるから拡大されていたんだろうけど、ならせめて鞘の拡大とかですね、
いや、レプリカだから必要ないって判断なのかもしれないけども。ううむ。

個人的にふつくしい…と思ったのは「鬼丸」と「牛切丸」でした。
ジョジョの某刀は牛切らない丸か

// ここまで

へし切長谷部の逸話は「箪笥と茶坊主の隙間に刀を差し込んで押し切った」が正しかったと思うんですけど、「箪笥ごと押し切った」との説明でした。ううん。

Chapter2-1 名刀列伝 225~日本刀千年の歴史

日本刀と聞いてぱっと思い浮かぶ、反りや刃文のある刀になるまでのまっすぐな刀剣を「上古刀」と呼びます。
刀には武器として扱う以外にも神への捧げ物だったり、装飾を凝らした美術品だったりしてきました。
反りがつくようになったのは6~8世紀ではないかとのこと。

日本刀の特徴で区切った上記の時代ごとに説明があります。 その合間に豆知識の詰まったコラムや、哲学者や武術研究家へのインタビュー記事が載っています。

Chapter2-2 名刀列伝 225~日本刀鑑賞

景秀や国重など、20振もの刀が全長と刃の一部を拡大した写真つきで説明されています。
拡大されたことによって地鉄や刃文がよく見えます。
刃の一部拡大は最初のページからやってくれればよかったのに
説明文にはその刀の刀工(集団)や特徴について書かれています。

Chapter3 初心者でもわかる日本刀教室

  • Ⅰ 刀姿と反りの時代による遷移
  • Ⅱ 鎬と棟のカタチ
  • Ⅲ 鋒のカタチ
  • Ⅳ 手に持つ茎、茎に切られる銘
  • Ⅴ 刃文の種類
  • 地鉄は鉄表面の文様や色
  • Ⅶ 沸と匂が輝く

拵を柄の装飾だと誤解していたレベルの人間にはありがたい説明コーナーです。何故柄と間違えたのか
図や写真を混じえての説明がされています。

Chapter3の後には刀工たちがどの辺りにいたかが分かる地図を挟み、日本刀の販売ページで終わります。
注文受付は2015年9月30日までだったので買えませんが、日本刀って270万で買えたんですね…。


刀剣乱舞実装済・実装予定刀の写真 (2016/11/13時点)

元々日本刀は本当に好きだった(審議拒否)ので借りてきましたが、
まあこれ調べたかったのもあります。

…刀が使い手を選ぶ方のブラウザゲームでも調べたい

※漏れ・表記ミスありそうです
 一応刀種ごと・五十音順です

刀の名前が並んでいるときは左がゲーム表記、右が本での表記です。

実装済

  • 厚藤四郎
  • 五虎退
  • 平野藤四郎

  • にっかり青江

  • 鯰尾藤四郎(写真原寸大)
  • 骨喰藤四郎
  • 堀川国広(?)
  • 物吉貞宗

  • 歌仙兼定

  • 長曽祢虎徹
  • へし切長谷部
  • 鳴狐(写真原寸大)
  • 宗三左文字 / 義元左文字
  • 陸奥守吉行

  • 同田貫正国

  • 和泉守兼定

  • 明石国行

  • 小狐丸
  • 獅子王
  • 膝丸
  • 髭切 / 鬼切

  • 一期一振

  • 鶯丸
  • 江雪左文字
  • 鶴丸

  • 三日月宗近

  • 石切丸

  • 御手杵

  • 蜻蛉切
  • 日本号

堀川国広は同刀工の別刃だったと思います

実装待

  • 大平包
  • 村正(?)

村正は同刀工の別刃だったかも…

要確認
  • 後藤藤四郎
  • 信濃藤四郎
  • 包丁藤四郎
  • ソハヤノツルギ
  • 大典太光世
  • 亀甲貞宗

以下雑談

三名槍見に行くことにしました。
11月に蜻蛉切、
12月2月か5月に御手杵、
1月に日本号 の予定です。

また、黒田官兵衛関連の刀 1月にへし切長谷部、 2月に日光一文字 を見に行こうとも思っています。

レポとか書けるといいなあ…

蜻蛉切見に行きました。 へし切長谷部と日本号は見に行っています。ほかは行けていません…。

追記(11/13)

うちの本丸にはおでんと醤油がいません。

【パイロット万年筆】カスタム98【かっこかわいい】

こんばんは、tori1031です。

今回は以前書くと言っていた万年筆記事です。
近いうちとは一体…

…気にしたら負けです。

紹介するのはカスタム98です。
税抜き価格で10000円、春に地元商店街の文房具屋で購入したら一割引でした。
…この頃はAmazonで買ったほうが三割引で安かったです。くっ…。

パイロット三兄弟

大きさ比較に

  • 定規
  • petit2(旧)
  • kakuno

と並べて写真を撮ってみました。 見た目はスタンダードなこれぞ万年筆といった黒くて凛々しいフォルムですが、丸みを帯びた小ぶりなところには可愛らしさも感じます。

カスタム98

持ち方がおかしいのは、このときはこれが正しいと思っていたせいです。
かといって新しく撮り直すのも面倒だったのでこのまま載せています。

私の手は、二十代前半の男性を四十人集めたとき、二番目に小さいくらいの大きさです。 …参考にならないなあ。

この長さだとキャップ嵌めた方が書きやすいです。重さも増すので。

カスタム98ペン先

ペン先は14Kでこんな感じです。…一番よく撮れたやつです。
EF(極細)を選びました。
お店でもらったインク差していたときは書きづらかったんですが(後述)、 カートリッジ差し替えてからは、細いのに気持ちいいくらいインクがヌラヌラ出てきて書きやすいです。

カスタム98

金ペン特有の柔らかさは、よくわかってないです…。他の万年筆はkakunoしか持ってないあげく、その書き味に満足してた口なので…。 M(中)以上じゃないとわからないという意見もあった気が…真相はいかに。

持ち方の問題なのか、ペン先の問題なのか…左にひねって書かないとインクが出てこないときがあります。 一度ペンクリニックに行って診てもらいたいところです。

パイロットブルーインク(熟)

お店でもらった、かつ購入後勝手に差されたカートリッジの予備です。
すごく…濃いです。そりゃ書きづらくもなりますわ。 好みの色を目指してインク濃縮させてから使う人を見かけますが、そんな人に差し上げたいレベルです。


レビュー…といっていいのでしょうか。
普段文房具ブログ嬉々として読んでいるのに、いざとなるとうまくいきませんね。
普段の記事もうまくいっていない?知ってた。

201903
追記:廃盤したってマジですか…?あっ、在庫限り…あっ……。
ザ・定番品って見た目なのに、小さくて可愛いカスタム98を今後も大切にしていくことをここに誓います。

【原料不明】ブラックジュース【奇想コレクション】

こんにちは、tori1031です。

一ヶ月前に始めた某ブラウザゲームで、日本号追い回していたらすっかり更新期間が空いてしまいました。 今は小判集めてます

今日はタイトルに「なにそれ不味そう」と釣られて惹かれて借りたこの本を。

ブラックジュース / マーゴ・ラナガン

ブラックジュース (奇想コレクション)

ブラックジュース (奇想コレクション)

「ブラックシュース」は「沈んでいく姉さんを送る歌」からきているのかと思っていたのですが全然違いました。

色の名前の付けて短篇集を出すために、改めて考えてつけられていたようです。
因みに他の短篇集は、一作目が「白い時間」で三作目が「赤いスパイス」だそうです。(雑訳)

目次

  • 沈んでいく姉さんを送る歌
  • わが旦那様
  • 赤鼻の日
  • 愛しいピピット
  • 大勢の家
  • 融通のきかない花嫁
  • 俗世の働き手
  • 無窮の光
  • ヨウリンイン
  • 春の儀式

各短編 あらすじ・感想

沈んでいく姉さんを送る歌

殺人の罪でタールの湖に沈められることになった主人公の姉。
ゆっくりと、しかし確実に、彼女が完全に沈む最期の瞬間まで主人公達家族が傍にいました。

表紙の絵はこの話からのようです。絵では可愛らしく描いてあるけど実際おそろしい処刑方法です。 ダンロンのおしおきにありそう

最期一緒に過ごさなかった方が心の傷は浅く済んだのかなと思うものの、一緒にいられる最後の機会を放棄する人はいないよなあとも思ってしまいました。
どっちにせよ辛い。

わが旦那様

旦那様に仕える従者視点の話。
旦那様は城から抜け出した奥様を追って馬をとばしになられている。
はしたない奥様をきっと旦那様はお怒りになるだろう。追いついて、剣を抜くに違いない。

旦那様ェ…いや寛大?なのは良い事なんですけども。なんですけども。

赤鼻の日

相棒のリストの元、レンタルの美しい銃を使い、主人公は照準器越しに赤鼻の道化師たちを次々仕留めます。

道化師は忌み嫌われているようですが、何故かははっきりしないままばっさばっさ殺されていきます。 でも道化師って化粧のせいなのか動きのせいなのか、なんだか怖いですよね。
某ファストフード店の彼もMAD動画見るまで苦手でしたし。

主人公達も謎なんだよなあ。

愛しいピピット

動物園?で育てられている象視点の話。(施設が何だったか忘れました…)
彼女達の飼育係の中に、ピピットという名の優しい人間がいました。
彼女達はピピットのことが大好きでしたが、ある日突然どこかへ連れ去られてしまいました。
ピピットに再び出会うべく、彼女達は檻から出て、外の世界へピピットを探しに向かいます。

象かわいい。
しかしピピットは一体何をしたのでしょうか。

盲信は楽なんですけど、文字通り見えなくなっちゃうのが難点ですね。
スナフキンも「崇拝は自由を失う」的なこと言っていましたし、信じるときは思考停止しない程度にしたいですね。

大勢の家

<詩人>は「三人の家」を棚から下ろし、まだ幼い主人公に話し始めます。 ―ここにはアンネ、ロブレー、ヴィルジャストラマラタンが暮らしている。

<詩人>のもとで素朴な生活をしていた主人公は成長し、<詩人>から離れた外の世界を知っていきます。そこで「大勢の家」に触れます。

<詩人>苦手です。選択肢を取り上げておいて最後にあの対応だもんなあ。

現状に疑問を持ち、行動に移した主人公は立派だと思いました。
家族置いていったりもしましたが、家族だからって全部背負う義務もなければ自由を奪われる必要もないと思うのです。

融通のきかない花嫁

念願の花嫁になった女性が想定外の事態に合ってもしきたりを貫こうとする話。
―折角の靴が汚れたって、教会に遅れそうになったって、平常心を保ちルール通り行動しなくては。

折れろ。心とか信念とか折れてしまえ。

…つい過激な発言が。いやそう思わずにはいられないほど彼女は融通がきかないんですよ。
でも学校まで行って(多分)一度きりのチャンスだったわけですし多少は仕方ないかな…でもなあ。

バランス大事に。

俗世の働き手

今にも死にそうな祖母のために天使を連れてくるよう祖父に言われた少年の話。
彼はかつて見た天使のことを思い出し、どうにか天使を見つけます。

これだけ聞くと良い話に聞こえますが、しかし彼らの言う天使と私達の知っている天使は随分違っておりまして…

お前のような天使がいるか

横暴な祖父と変わった天使と主人公感溢れる少年…知らない童話を読んでいるようで面白かったです。

無窮の光

荒廃した世界、祖母の意思を尊重し遠地で葬儀を行うから来い、ヒロインは少ないお金でどうにか其処へ向かう。
幼い頃の祖母との思い出、

アンドロイドは電気羊の夢を見るか」のような世界。
荒廃していて生き物がああなっていれば大体そう感じるようなっていますが。

ヨウリンイン

初恋の相手を隠れて眺める少女の話。
少女は小さい頃に「ヨウリンイン」の襲撃で両親を亡くしており、町の人から疎まれ生きてきました。 少女はヨウリンインが再び現れることを知り、町の人たちに話しますが、何を話しても嘘だと決め付けられ信じてもらえません。

某君と○○するRPGばりに「人間なんて汚い…」と呟いてしまいました。 でも人間だし利己主義なのは仕方ないのかな。
自分だってあの人と同じ境遇で、最後らへんの同じ経験したとして、同じ事しないとは言い切れないし。それでももう少しましな行動とると信じたいですが。

春の儀式

すざまじい吹雪の中、険しい山で春を呼び込む儀式を行う少年の話。
いつもなら母親が、母が無理な年は弟が儀式を行っていたのですが、二人揃って病に伏せてしまい主人公にその役目が回ってきました。
狩りには自信があるけど他のことはちょっと…。そんな主人公だからか、重要な儀式だからか。
母はやたら厳しく彼に儀式について教え込んでいます。

吹雪や自分の境遇の怒りながらも儀式を行う主人公、はたして儀式は成功するのでしょうか。

クトゥルフ神話に同じ?似た?名前のがいたような… でもあれは海だったかな、ううむ。

大事な儀式なので仕方ないのかもしれないけど、でも母の言い方きつすぎました。 もっと主人公に優しくしてあげて…。彼が不憫に思えて、同情と応援をしながら読みました。 良かったです。


人間の良さや悪さが鮮やかに描かれていた、よう思いました。
SFもファンタジ-もそうでない普通の話もどれも良かったですが、普通の話のほうがより人間の心を掘り下げているよう思いました。象は可愛い。

ただ「ヨウリンイン」とか読んでいて心が痛くなるなったので、著者の他の作品を読むときは心に余裕があるときにしようと思います。 これだけ象推しておいてあれなんですが、一番好きな話は「春の儀式」でした。