本の虫もどきは働きたくない

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【シュー生地は】エンジェルエンジェルエンジェル【揚げると膨らむ】

こんばんは、tori1031です。

今回は梨木香歩さんの本です。
記事タイトルは…読めばわかります。

エンジェルエンジェルエンジェル / 梨木香歩

エンジェル・エンジェル・エンジェル (新潮文庫)

周囲からの期待に応えようと頑張るコウコはこの頃カフェイン中毒かもしれないと気付きます。

神経を落ち着かせるために何か他に気の紛れること、例えば関心のあったアクアリウムを始めたらどうなるかな。
アクアリウムを始めたいと親に相談するもあえなく撃沈…。
と思いきや、祖母の深夜のトイレへの付き添いを引き受けることで自分だけの水槽を持つ許可を得ます。

コウコはエンゼルフィッシュを含む熱帯魚を飼い始めますが、祖母や水槽に異変が起こります。

少女達はどうなるのか。
少女達はどうするのか。


2人の視点が交互に現れながら進む話です。そのため、テーマというかモチーフ?が沢山あります。
ちょっと多すぎるくらいです。 (聖書、水槽、悩み、人間関係…)

これ余剰かなって思うのはおばあちゃんの語りの、室町時代とか応仁の乱とか言い出すシーンです。
おばあちゃんが話すのは彼女の体験してきた出来事からきたものだけで良かったんじゃないかなと思ってます。 おばあちゃんが室町時代から生きていたなら別ですけど
遡って壮大な話始めた割に、すぐ止められますし。

でもあれがないと「人間は昔からそうだった」って話にならないかなあ。
でもそれなら聖書使えば良かった気がするんです。ううん…

とまあ、変なところに変なこと言ってますけど読んで大変満足しました。

悩みを抱えた人物やその内容が違っているし、舞台も終わり方も違うのですが、祖母と少女の組み合わせという点や雰囲気で同著者の「西の魔女が死んだ」を連想しました。

登場人物の悩みが解消されたり、救われたりした瞬間にフッと胸が軽くなった気がして、これらの作品は似ているなと感じました。

「この世界は許すか、許されるかなんだよ!」とどっかのゲームで聞いたセリフがよぎったような気がしたけどセリフ間違ってると気づいて私のソウルは砕けました。

最後の二人の会話読んだとき、「この本を、ここまで読んできて良かった…」って思えました。
基本小説読むときって、読破後にこう思うんですけど今回はタイミングでそう思えました。
それだけこのシーンが好きです。

その反動か、最後の2Pで「なんでお前が今頃…」って頭を抱えました(笑)
いや、読んだ人から「あのタイミングだからいいんだろう!」って言われそうなんですけど、ですけど…! けど彼女には知ってほしかったです…

これはやってはいけないなってことは、最初からやらないでいられればよかったんですけど…
(けど彼女の場合、多少しょうがなかったんじゃないかなあ…)

悪いことをしてしまった後、つい「自分だけが悪かったわけではない」「あっちも悪かった」と言い訳してしまいがちな自分からすれば、
後悔し続けた彼女は十分"ちゃんとした人間"だったと思います。

だからこそ、彼女は自分が許せなくて自分をあるものに例えたのでしょうけど。


  • 梨木香歩さんの作品が好きな方
  • 複数の登場人物の視点が切り替わりながら進む物語が好きな方
  • 登場人物がほぼ女子で進む話が読みたい方

こんな方は是非読んでみてください


おまけ

こちらの動画のコメントでこの小説を知りました。

ボカロが苦手でなければ是非、マナーを守って再生してみてください。